第5章 許可後手続き 31 許可後の手続き
結論|運送業許可取得後も多くの手続きが必要です
一般貨物自動車運送事業の許可を取得した後でも、すぐに営業を開始できるわけではありません。
運送業許可取得後には、
- 事業用ナンバー(緑ナンバー)の取得
- 運輸開始前確認
- 運輸開始届の提出
- 運賃料金届出
- 運送約款の備付け
- 社会保険・労働保険関係の整備
- 点呼・運転者台帳など法定帳票の準備
など、多くの手続きが必要になります。
これらを適切に行わなければ、営業開始ができないだけでなく、巡回指導や監査で指摘を受ける可能性もあります。
この記事では、運送業許可取得後に必要となる主な手続きを、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、運送業許可そのものについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事 「運送業許可とは?」 「運送業許可取得までの流れ」 「運送業許可申請の流れ」
許可後手続きとは
許可取得後に「運輸開始準備」が必要
一般貨物自動車運送事業では、許可取得後に営業開始の準備を行います。
許可が下りた後は、
「いつでも営業してよい」
という状態ではなく、
「法令に適合した状態になっているか」
を確認したうえで営業開始する流れになります。
そのため、許可後には各種届出や準備が必要です。
特に重要なのは、
- 車両準備
- 人員配置
- 保険加入
- 点呼体制整備
- 運行管理体制整備
です。
これらが整っていない状態では、正式な事業開始ができません。
運送業許可後に必要な主な手続き
① 事業用ナンバー(緑ナンバー)の取得
緑ナンバーとは
一般貨物自動車運送事業で使用する車両には、事業用ナンバーが必要です。
一般的に「緑ナンバー」と呼ばれます。
白ナンバーでは有償で他人の荷物を運送することはできません。
取得の流れ
通常は以下の流れで進みます。
- 許可取得
- 車両登録書類準備
- 運輸支局で事業用登録
- ナンバー交付
リース車両の場合には、使用者名義や契約内容にも注意が必要です。
② 運輸開始前確認
運輸開始前確認とは
許可取得後、営業開始前に行われる確認手続きです。
地方運輸局によって呼称や運用が異なる場合がありますが、
- 車両
- 車庫
- 営業所
- 人員
- 社会保険加入状況
などを確認されます。
確認される主な項目
車両
- 申請した車両が確保されているか
- 車検証内容に問題がないか
車庫
- 申請どおりの車庫か
- 車両が適切に収容できるか
人員
- 運行管理者
- 整備管理者
- 運転者
が確保されているか確認されます。
③ 運輸開始届の提出
運輸開始届とは
営業開始後に提出する届出です。
正式名称や提出方法は運輸局によって若干異なる場合があります。
提出時期
一般的には、営業開始後に速やかに提出します。
注意点
営業開始前に提出するものではありません。
実際に営業を開始した日が基準になります。
④ 運賃料金届出
運賃料金届出とは
荷主から受け取る運賃や料金について届出を行います。
現在は原則として事後届出制ですが、適切な運賃設定が重要です。
注意点
極端に低い運賃設定は、
- 安全運行
- 適正利益
- 労働環境
に影響する可能性があります。
近年は「標準的な運賃」の考え方も重視されています。
⑤ 運送約款の備付け
運送約款とは
運送契約時のルールを定めたものです。
荷主とのトラブル防止のためにも重要です。
主な内容
- 運送責任
- 荷物事故
- 免責事項
- 損害賠償
などが定められています。
国土交通省の標準運送約款を使用するケースが一般的です。
⑥ 任意保険への加入
自賠責保険だけでは不十分
運送業では高額事故リスクがあります。
そのため、
- 対人
- 対物
- 貨物保険
などへの加入が重要になります。
実務上非常に重要
荷主から保険加入状況を求められることも多くあります。
特に貨物保険は実務上重要です。
許可後に必要な社内体制整備
点呼体制の整備
営業開始後は点呼義務が発生します。
- 対面点呼
- 電話点呼
- IT点呼
など、適切な方法で実施する必要があります。
関連記事 「点呼とは」 「点呼方法」 「アルコールチェック義務」
運転者台帳の整備
運転者ごとの情報を管理する台帳です。
- 免許証情報
- 適性診断
- 指導教育
などを記録します。
運行管理体制の整備
運行管理者による管理体制も必要です。
特に、
- 労務管理
- 拘束時間管理
- 安全管理
は重要です。
近年は改善基準告示への対応も重要視されています。
許可後手続きで多い失敗
手続き順序を間違える
実務上よくあるのが、
「許可取得後すぐ営業できると思っていた」
というケースです。
実際には、
- 車両登録
- 社会保険加入
- 運輸開始準備
などが必要です。
車両準備が間に合わない
中古車購入やリース契約で納車が遅れるケースがあります。
営業開始時期に影響するため注意が必要です。
点呼・帳票類を軽視する
営業開始後は、
- 点呼記録簿
- 運転日報
- 運転者台帳
などの管理が必要になります。
巡回指導では重点的に確認されます。
許可後手続きは行政書士へ相談するメリットがあります
実務では許可後の方が大変なことも多い
運送業では、
「許可取得=ゴール」
ではありません。
むしろ、営業開始後の運営体制整備が非常に重要です。
特に初めて開業する場合、
- 何から始めればよいかわからない
- 手続き順序がわからない
- 帳票整備が不安
というケースも少なくありません。
まとめ|運送業許可後は営業開始準備が重要です
運送業許可取得後には、
- 緑ナンバー取得
- 運輸開始前確認
- 運輸開始届
- 運賃料金届出
- 保険加入
- 点呼体制整備
など、多くの準備が必要になります。
許可取得後の対応が不十分だと、
- 営業開始が遅れる
- 巡回指導で指摘される
- 監査リスクが高まる
可能性もあります。
そのため、許可後の準備も含めて計画的に進めることが重要です。
運送業許可後の手続きでお困りの方へ
運送業許可後の手続きは、実務上多くの確認事項があります。
特に、
- 緑ナンバー取得
- 運輸開始準備
- 運行管理体制整備
- 各種届出
は専門的な確認が必要です。
当事務所では、運送業許可申請だけでなく、許可後の各種手続きについてもサポートしています。
運送業の開業をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
詳しくは当事務所ホームページをご覧ください。 👉 行政書士山下法政事務所