第3章 許可要件 20 必要車両台数

一般貨物自動車運送事業(いわゆる緑ナンバーの運送業)を始めるためには、いくつかの許可要件を満たす必要があります。

その中でも非常に重要なのが「必要車両台数」の要件です。

結論からいうと、一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、原則として「5台以上」の事業用車両が必要です。

ただし、単純に5台そろえればよいわけではありません。
車両の種類や使用権限、車検証の内容など、細かな確認事項があります。

この記事では、

  • 運送業許可に必要な車両台数
  • 5台ルールの考え方
  • カウントできる車両・できない車両
  • よくある失敗例
  • 実務上の注意点

について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

なお、運送業許可全体については、関連記事
「運送業許可の5つの要件」
「運送業許可の車庫要件」
もあわせてご覧ください。

必要車両台数とは

一般貨物自動車運送事業を開始するためには、一定台数以上の事業用自動車を確保する必要があります。

これは貨物自動車運送事業法に基づく許可基準の一つであり、適正な輸送体制を確保する目的があります。

国土交通省や各地方運輸局の許可申請手引きでも、原則として以下の基準が示されています。

原則は5台以上

一般貨物自動車運送事業では、営業所ごとに「5台以上」の事業用自動車を配置する必要があります。

つまり、

  • トラック1台だけで開業
  • 軽貨物のような少数運営
  • とりあえず1~2台で開始

という形では、一般貨物運送業の許可は取得できません。

この「5台要件」は非常に重要で、申請時に厳しく確認されます。

なぜ5台必要なのか

一般貨物自動車運送事業は、継続的かつ安定的に輸送サービスを提供する事業です。

そのため国は、

  • 安定した輸送能力
  • 継続的な運営体制
  • 安全管理体制

を確保する必要があると考えています。

車両が少なすぎる場合、

  • 事故時の代替対応ができない
  • 継続的運行が困難
  • 安全管理が不十分

になる可能性があります。

そのため、一定規模以上の体制として「5台以上」が求められています。

カウントできる車両とは

ここで注意が必要なのが、「どんな車でも5台に含められるわけではない」という点です。

事業用として使用できる車両であること

許可申請でカウントできるのは、事業用として使用する貨物自動車です。

代表的には以下のような車両です。

  • 普通トラック
  • 小型トラック
  • バンタイプ貨物車
  • トレーラーヘッド(条件あり)

一方で、以下のような車両は通常カウントできません。

  • 自家用乗用車
  • 営業車ではない車両
  • 用途が貨物以外の車両

車検証の「用途」「自動車の種別」なども確認されます。

使用権原が必要

申請時には、その車両を適法に使用できることも必要です。

つまり、

  • 自己所有
  • ローン購入
  • リース契約

など、使用権限が明確でなければなりません。

単なる「借りる予定」では認められないケースがあります。

リース車両の場合も、契約内容を確認されることがあります。

使用する営業所に配置されること

車両は、申請する営業所に配置される必要があります。

例えば、

  • 千葉県の営業所で許可申請
  • 実際の車両は別地域に常時保管

という状態では問題になる可能性があります。

また、車庫との関係も重要です。

車両台数に対して十分な車庫スペースが必要になります。

車庫要件については、関連記事
「運送業許可の車庫要件」
もあわせて確認しておきましょう。

軽貨物との違い

ここは非常によく誤解されるポイントです。

軽貨物運送業は1台から可能

軽貨物運送事業(黒ナンバー)は、基本的に軽自動車1台から開始できます。

一方、一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)は5台必要です。

つまり、

  • 軽貨物 → 比較的開業しやすい
  • 一般貨物 → 許可要件が厳しい

という違いがあります。

「まずは軽貨物から始める」という事業者も多く存在します。

よくある失敗例

中古車購入前に確認していない

実務上かなり多いのが、

「中古トラックを購入したが、許可要件を満たしていなかった」

というケースです。

例えば、

  • 車検証内容が適切でない
  • 車両寸法が車庫に入らない
  • 使用権限の資料が不足
  • 事業計画と整合しない

などの問題があります。

先に車両を購入する前に、必ず要件確認を行うことが重要です。

車庫面積が不足している

5台分の車両を配置するには、当然ながら広い車庫が必要です。

運輸局では、

  • 車両間隔
  • 通路確保
  • 出入りの安全性

なども確認されます。

「5台置けると思っていたが、実際は基準を満たしていなかった」というケースも少なくありません。

増車予定では認められないことがある

「今は3台しかないが、許可後に増車予定」

という相談もあります。

しかし、原則として申請段階で必要台数を満たしている必要があります。

後から増やす予定だけでは、認められない可能性があります。

実務上の注意点

地方運輸局ごとに運用確認が必要

基本ルールは全国共通ですが、実務上の確認資料や運用は地方運輸局によって異なる場合があります。

例えば、

  • 添付資料
  • 写真の提出方法
  • 車両確認方法

などが異なることがあります。

申請前には、管轄運輸支局の手引きを確認することが重要です。

車両だけでなく他要件も必要

運送業許可では、車両台数だけ満たしても許可は取得できません。

主な要件として、

  • 営業所要件
  • 車庫要件
  • 資金要件
  • 運行管理者
  • 人的要件

などがあります。

特に資金要件では、車両購入費やリース費用も大きく影響します。

関連記事
「運送業許可に必要な資金」
「運送業許可の5つの要件」
も参考にしてください。

必要車両台数に関するよくある質問

Q. 必ず購入しなければなりませんか?

いいえ。
リース契約車両でも認められる場合があります。

ただし、使用権限を証明できる契約書などが必要になります。

Q. 増車は後からできますか?

はい。許可取得後に増車手続きは可能です。

ただし、許可取得時点では原則5台必要になります。

Q. 軽自動車は含められますか?

一般貨物自動車運送事業では、通常の軽貨物車両は対象外となるケースが一般的です。

詳細は申請内容によって異なるため、事前確認が重要です。

まとめ

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、原則として5台以上の事業用車両が必要になります。

ただし、

  • どの車両でもよいわけではない
  • 使用権限が必要
  • 車庫要件との整合が必要
  • 他要件とのバランス確認が必要

など、実務上は多くの確認事項があります。

特に、

  • 車両購入前
  • 車庫契約前
  • 許可申請前

の段階で事前確認を行うことが非常に重要です。

行政書士への相談案内

運送業許可は、確認すべき法令が多岐にわたり、一つでも要件を落とすと許可が下りない非常に難易度の高い手続きで、専門的な知識が必要になります。

事前の確認が不十分なまま手続きを進めると、
申請が認められないケースもあります。

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