第2章 運送業許可の基礎 11 運送業許可取得までの期間

結論|運送業許可取得までには通常4~6か月程度かかります

運送業(一般貨物自動車運送事業)を始めるためには、運送業許可を取得しなければなりません。

「申請したらすぐに営業できる」と考えている方もいますが、実際には申請前の準備期間、運輸局での審査期間、許可後の手続きなどが必要となるため、開業までには一定の期間を要します。

一般的には、

  • 申請準備:約1~2か月
  • 運輸局の審査:約3~5か月
  • 許可後の手続き:約2~4週間

となり、開業までの総期間は4~6か月程度が目安です。

ただし、営業所や車庫の要件確認に時間がかかったり、申請書類に不備があったりすると、さらに期間が延びる場合があります。

この記事では、運送業許可取得までの期間の目安や流れ、期間が長くなる原因、スムーズに許可を取得するためのポイントについて詳しく解説します。

運送業許可取得までの期間とは

一般貨物自動車運送事業の許可申請は、提出後すぐに許可が出る手続きではありません。

運送業は利用者の生命・財産を預かる公共性の高い事業であるため、国土交通省(地方運輸局)が厳格な審査を行います。

審査では主に次のような事項が確認されます。

  • 営業所の要件
  • 車庫の要件
  • 車両台数
  • 資金要件
  • 人的要件
  • 法令遵守体制

これらの許可要件を満たしていることを証明する必要があります。

そのため、申請前の準備から営業開始までを考えると、数か月単位のスケジュールで進めることが重要です。

運送業許可取得までの流れと期間

① 事前準備(約1~2か月)

運送業許可取得で最も重要なのが事前準備です。

申請前に要件を満たしていなければ許可を取得できません。

主な準備内容は次のとおりです。

営業所の確保

営業所として使用する建物を確保します。

用途地域や建築基準法上の問題がないか確認が必要です。

車庫の確保

車両を保管する車庫を確保します。

前面道路の幅員や接道状況なども確認します。

車両の準備

原則として事業用自動車5台以上が必要です。

※霊柩運送事業など一部例外があります。

人員の確保

  • 運行管理者
  • 整備管理者
  • ドライバー

などを確保します。

資金計画の作成

運送業許可では十分な自己資金が求められます。

残高証明書などで資金要件を証明します。

② 許可申請(1日)

必要書類を作成し、管轄の地方運輸局へ申請します。

申請書類は非常に多く、

  • 許可申請書
  • 事業計画書
  • 資金計画書
  • 車庫関係資料
  • 営業所関係資料
  • 登記事項証明書

などを提出します。

提出自体は1日で終わりますが、準備には相当な時間を要します。

③ 法令試験(申請後約1~2か月)

運送業許可申請後、役員等を対象として法令試験が実施されます。

法令試験では、

  • 貨物自動車運送事業法
  • 道路運送車両法
  • 道路交通法
  • 労働関係法令

などの基礎知識が問われます。

合格しなければ許可を取得できません。

そのため、申請後も試験対策が必要です。

④ 運輸局による審査(約3~5か月)

申請後は地方運輸局による審査が行われます。

審査では、

  • 書類審査
  • 要件確認
  • 補正対応

などが実施されます。

書類に不備がある場合は補正指示が出されます。

補正対応が遅れると許可時期も遅くなるため注意が必要です。

⑤ 許可処分(申請から約3~5か月後)

審査が終了すると許可処分が行われます。

ただし、この時点ではまだ営業できません。

許可取得後にも必要な手続きがあります。

⑥ 許可後の手続き(約2~4週間)

許可後には以下の手続きが必要です。

運行管理者・整備管理者選任届

選任した管理者を届け出ます。

社会保険等の加入確認

従業員を雇用する場合には社会保険関係の手続きも必要です。

事業用自動車等連絡書の交付

運輸支局で手続きを行います。

緑ナンバー取得

車両を事業用登録します。

運輸開始届の提出

営業開始後に届出を行います。

これらの手続きを終えて初めて運送事業を開始できます。

運送業許可取得までの期間が長くなる主な原因

営業所や車庫の要件を満たしていない

最も多いケースです。

契約後に用途地域の問題が判明することもあります。

特に市街化調整区域などは注意が必要です。

資金要件の準備不足

残高証明の取得時期や資金移動の履歴などによっては再確認が必要になる場合があります。

資金計画は早めに準備しましょう。

申請書類の不備

添付資料不足や記載ミスがあると補正対応が必要になります。

結果として許可までの期間が長引きます。

法令試験の不合格

法令試験に不合格となると再試験になります。

その分、許可取得時期も遅くなります。

申請前から法令の学習を進めておくことが重要です。

スムーズに許可取得するためのポイント

行政書士へ早めに相談する

運送業許可は事前調査が非常に重要です。

申請直前に相談すると、

  • 営業所が使えない
  • 車庫が要件を満たさない
  • 資金要件を満たさない

などの問題が発覚することがあります。

早い段階で専門家へ相談することで無駄な時間や費用を防ぐことができます。

開業希望時期から逆算する

例えば、

「来年4月に開業したい」

のであれば、少なくとも半年前には準備を始めるのが理想です。

車両の購入や人員確保も考慮すると、余裕を持ったスケジュールが必要になります。

内部リンク

運送業許可取得までの全体の流れについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

→「運送業許可取得までの流れ」

また、運送業許可を取得するために必要な要件については、こちらの記事をご覧ください。

→「運送業許可の5つの要件」

まとめ

運送業許可取得までの期間は、一般的に4~6か月程度が目安です。

ただし、

  • 営業所や車庫の選定
  • 資金要件の準備
  • 法令試験対策
  • 申請書類の作成

などを含めると、それ以上の期間が必要になるケースも少なくありません。

運送業の開業を予定している方は、開業希望時期から逆算して早めに準備を進めることが重要です。

運送業許可のご相談は行政書士山下法政事務所へ

運送業許可申請は、営業所・車庫・資金要件など多くの確認事項があり、申請後も法令試験や許可後手続きが必要となります。

事前準備が不十分な場合、許可取得までの期間が長引いたり、最悪の場合は許可を受けられなかったりすることもあります。

行政書士山下法政事務所では、

  • 運送業許可申請
  • 営業所・車庫調査
  • 資金要件確認
  • 法令試験対策のサポート
  • 許可後手続き

まで一貫して対応しております。

元自治体職員として長年行政実務に携わった経験を活かし、事業者様のスムーズな開業をサポートいたします。

運送業の開業をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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行政書士山下法政事務所